ねじと金属切削加工のなんでも屋 有限会社 竹澤鋲螺


ね じ 用 語 自 転

ねじに関する用語は多種多様のものがあり、雑談のコーナーでの少し書いていますがまだまだ
書き足りない事も多くありますので、ここで判る部分を少しづつ書いて行こうと思い立ちました。
ただ、絶対正確だ!自信がありませんので事典ではなく自転程度と思って気軽にご覧ください。
ただし、なにしろ薄識?ですので項目が増えるのは亀の歩みとなりそうですのご容赦下さい

アプセットボルト ボルトの頭を圧造によって六角形や四角形に成形したボルト
冷間圧造のアプセットボルトの頭は凹んでいるのが普通です
この凹んでいる所に十字穴が付いている形状のものは小径で
小ねじの範疇に入るものもあります。

特に小さなサイズは頭の強度が低いのでスパナではなく
ボックスレンチ等で締め付けないと潰れる事があります。
アイボルト 丸い穴のあいたリング状の頭を持ったボルトの事丸い穴が
目(eye)に見える事からの名前で、日本語だと??ですね。
もうひとつの名前はつりボルト(正確には頭の付け根に座が付いて
強度の得られるものなんですが)のほうが用途の名前としてピンと
くると思います(同じくボルトの変わりにナットになったアイナットと
言うのもあります
ウィットねじ
(ウィットワース)
サイズ表記の頭にWがついてユニファイなどと同じように1/8インチ
単位を基準にしてサイズ化されているので、ユニファイ規格と混同しや
すい規格ねじですが、歴史はこちらが先、ねじの山の角度も他のねじと
厳密に言うと違って55度(他はほとんど60度)です。歴史はともかく現在
の流通しているウィットねじは建築用のものが主で比較的精度のあまり
高くないものになります。 山数はユニファイの並目に準じます。
カムアウト 締め付けトルクが大きすぎたり、錆び付いて取れない時などに
ねじの頭に付いている十字穴やすりわりが潰れること。
潰れやすくヘッダーなど量産に不向きなすりわり(マイナス)は
徐々に市場から消えて行っています。でも実際十字穴でもよく
潰しますね。六角穴付きや星形のトルクスはより潰れにくい形なので
特に締め付けトルクを要求される所に使われますね。
キャップスクリュー 六角穴付きボルトの事、漢字で書くのが面倒って言う訳でもないのか
もしれませんが、このほうが業界では通じます。
これは正しくはHexagon Socket Head Cap Screwの後ろだけ
を言ってるんです。これじゃ長いですもんね。

それと、これは主にナットと組ませて使用しないのにボルトの
通称が付いているのが面白いですね
皿小ねじの長さ 時々間違えられる方がいらっしゃるので、こちらに書こうかな?と思い
ました。皿小ねじはじめ皿形状のものは長さを表す時は全長になります
他にねじが頭の下からのねじの長さで表すので時々間違えますね。
すりわり マイナスドライバーの先端を差し込んで回すようするために
付けた溝一般に切削製作の小ねじ類はこの形状になります
(マイナス頭のことでオマケ付きではありません)
セムス 小ねじ類でスプリングワッシャーや平ワッシャーを組み込んだねじの事
転造というねじ山の成形方法でねじを付ける前に専用の内径の小さな
ワッシャーを組み込んだ後にねじを付けるのでワッシャーが落ちずに
便利です。スプリングワッシャーだけのものをシングルセムス、平ワッシャーと
両方組み込んだものをダブルセムスと言います。

現在はキャップスクリューなどにもありますし、組み込むものも
外歯ワッシャーなど色々なタイプで揃っています。
0番(ゼロバン)ねじ 十字穴(プラス)のサイズの一番小さいものが0番(0〜3番まで・・・新JISでは
4番まで)サイズでこのサイズの十字穴のねじの略称で、精密機器用ねじの範囲
M1.0〜2.6までの小さな頭のねじのこと。これも正式に言うより簡単なのでこう
呼んだりします。でもJISブックには精密機器用はすりわり付き(マイナス)だけなん
ですよね。十字穴はそのサイズに準拠してるので、そのなかでも小さな頭の1種と
やや大きめの3種があります。(既製品は鉄とステンレスがあります)

別名カメラ用ねじと言います
並目(細目も含む) ねじの山と山の間をピッチと言って、このピッチはISO規格やユニファイ
規格などでそのねじの太さに対していくつのピッチ(どれくらいの山の間隔
かが決められています。その最も標準のピッチ(間隔)のものを並目と
言います。目はのこぎりや、表面の粗さにも使われますがここではねじの
間隔になります。 細目とは同じ太さのねじでこの間隔がより狭いものに
なります。 でこの細目のほうは理論上はミニチュアねじのピッチまでなの
でかなり細かくなります(実際はあまり細かいものはピッチが狂ったりして
作れないのですが)。細目もある程度その太さによって決められたものが
あります。 (オートバイのねじなどが代表的でしょうか?)
この標準的な並目・細目より細かいものが極細目になり、特に
微調整用のねじなどに使われます

 逆に標準より粗い(間隔の開いた)ものは規格化されていませんし、作る
事も難しいです(2条ねじ3条ねじのように特殊な形状を除くと)
ニ ゲ ねじのニゲとは、頭の付いたねじの首もとの部分のねじの所をねじの
谷径以下に細い径で小さな溝のように削る事。
ねじの頭のすぐ下までねじは正常な形状に加工するのが難しいのですが
そのまま締め付けるときっちり締め切らないので浮いてしまうのでその部分を
細くしてピッタリ付けられるようにするための加工。
ただ、首もとを細くする分強度は低下するので要注意ですね
半ねじ 小ねじ類は全ねじ(頭の部分の下のねじが全て切ってあるもの)になって
いるものが多いのですが、ボルト、六角穴付きボルトなどは基本的に
半ねじになります。・・・でも半ねじと言ってもねじの太さの部分の長さの
半分がねじが切ってあると思わないでください。そのねじの太さでねじの
切ってある部分の長さが決まっていて(概算で太さの2倍+6mm、ただし
もっと長い130mm以上のものは+12、220mm以上だと+25)
なので短いものは半ねじとなっていても全ねじに近いし、長いものは先端
しかねじがないんです。

平径(ひらけい) 通常六角形(ボルトの頭や六角穴)の対辺の幅を表します
(四角ボルトなどでも同様ですが)、六角形の尖っている部分の
形は角径(かどけい)と言い表します JISなどだとボルトの頭だとS寸法
六角穴だとB寸法です。
ホーローセット 六角穴付き止めねじの通称 別にホーローのお鍋用じゃないくて(^^),
ホーローはHolllowでくぼみとか穴の事でセットは止めねじのことを
Set screwと言うのを縮めたものでなんでも簡単に言う日本式の呼
び名なんですね、でも頼む時のこのほうが簡単ですからね。
正しくはHexagon Socket Set Screw やっぱり面倒ですね(^^;;
ボルト 一般的にナットと組み合わせて使用するねじの総称従来は大きなサイズ
が中心でしたが現在ではM2サイズのものもあるので小ねじと間違える位
です(逆にアプセットボルトのように頭が六角でも小ねじに分類するのもあります。
マイクロサイズねじ 精密機器用の小さなサイズのねじM1〜M2.6の範囲のものを
指す事が多い。凄く小さいねじと混同する事もありますね。時計用
などもっと小さな(もっともちょっとねじ外径サイズは重複しててM1.4以下)
のサイズのねじはミニチュアサイズねじの規格で専用の工具、
ノウハウがないため当店でも製作出来ません。
ローレット ツマミネジ等の頭に付いているギザギザのすべり止めの事
縦スジが並んでいるのが縦目ローレット、斜めにダイヤ形に付いて
いるのが綾目(アヤメ)ローレットと呼ばれています
スジを付けるのは棒の材料を加工前に引き抜きながら付ける方法
転造で付ける、ギザギザのリングを押しつけて成形するなど色々あります。